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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

抗精神病薬による治療歴のない精神分裂病者における事象関連電位P300異常

著者: 平安良雄12 大田裕一1 小椋力1 外間宏人1 新垣元1 松尾和彦1 安里尚彦1 平安明1

所属機関: 1琉球大学医学部精神神経科学講座 2現,ハーバード大学医学部精神科

ページ範囲:P.733 - P.739

 【抄録】精神分裂病における事象関連電位(event-related potentials;ERPs)のP300異常,特にP300の低振幅はよく知られている。しかし,これまでの研究の対象者は,服薬していたり,記録時に未服薬であっても過去に抗精神病薬の服用歴のある者が含まれており,その影響は十分に考えられる。本研究では,性・年齢を対応させた過去に全く抗精神病薬による薬物療法を受けたことのない(neuroleptic-naive)精神分裂病者20人,過去に治療歴のある精神分裂病者(neuroleptic-experienced)20人,健常対照者20人のERPsを記録しそのP300成分について検討した。その結果,P 300振幅は精神分裂病において薬物療法の既往の有無にかかわらず,健常者と比較して小さかったがneuroleptic-naiveであるかどうかに関して特別な所見は見いだせなかった。P300潜時は3群間で差はなかった。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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