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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻7号

1996年07月発行

短報

蛋白同化ステロイド剤乱用による精神病の1例

著者: 井上幸代1 宇田川雅彦1 中谷陽二2 高橋和巳1 風祭元1

所属機関: 1東京都立松沢病院 2東京都精神医学総合研究所

ページ範囲:P.760 - P.762

文献概要

 蛋白同化ステロイド剤(anabolic steroids;以下AS)は,様々な原因による消耗状態,再生不良性貧血,下垂体性小人症などの治療のため使用されるほか,最近ではスポーツ競技において,いわゆるドーピングの目的で使用されることで知られている。米国においては,ドーピングの目的だけでなく,体格を変えるという美容の目的の乱用が一般の青少年にまで広がり4),依存性や副作用が問題となるほか,ASによって誘発されたと考えられる精神障害による暴力犯罪が注目され始めている。ASの乱用による精神障害の報告は,我が国においては,筆者らの知るかぎりまだ見当たらないが,今後乱用が広がることが懸念される。今回我々は,他の薬物とともにASを乱用し,精神病を来した例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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