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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻8号

1996年08月発行

文献概要

研究と報告

殺人者率および自殺率からみた我が国の青少年男性の世代的分類の試み—攻撃性と社会病理

著者: 影山任佐1 石井利文2 長谷川直実3 原淳1

所属機関: 1東京工業大学 2東京医科歯科大学 3八王子医療刑務所

ページ範囲:P.807 - P.815

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 【抄録】我が国の青少年男性の殺人者率および自殺率の時代的,世代的変化を統計的手法を用いて明らかにした。殺人者率と自殺率の高低などの特徴から我が国の青少年はA群:戦前群(2亜型)とB群:戦後群(3亜型)に分けられた。さらにこの戦後群の2亜型と「校内暴力」,「家庭内暴力」,「いじめ」との関係を考察し,青少年の新しい世代分類とその特徴を述べた。青少年の殺人者率,自殺率はともに最近になるに従って全年齢の平均以上に極端に低下してきている。殺人および自殺を自他に向けられた攻撃性のもっとも暴力的な形態として把握する立場からこの結果を考察し,攻撃性が直接的で暴力的,物理的な形態から間接的で非物理的,言語的な形態へと我が国の青少年では大きく変動している可能性を指摘した。これが近年の青少年のいわゆる「いじめ」などの社会病理現象,無気力症などの精神病理現象の基盤の1つとなっている可能性に触れた。またこの攻撃性出現形態の変動の原因についても仮説を提示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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