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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻8号

1996年08月発行

研究と報告

抗うつ薬と効果再現性—反復性大うつ病患者を対象として

著者: 佐々木一郎1 土山幸之助1 藤井薫1

所属機関: 1大分医科大学精神神経科学教室

ページ範囲:P.825 - P.828

文献概要

 【抄録】反復性大うつ病患者が再発した際に,前回有効であった同一抗うつ薬の効果再現率などについて調査,検討した。
 効果再現率は63.6%であった。また,効果再現性のなかった群においては,有効抗うつ薬初回投与時よりも2回目投与時において,17項目・ハミルトンうつ病評価尺度(HRSD)の総得点が有意に高く,HRSD各項目別の得点では精神運動抑制の項目のみが有意に高かった。
 繰り返される大うつ病エピソードの際に,前回有効であった同一抗うつ薬を第一選択として用いることは合理的と思われるが,前回より抑うつ状態が重篤で,かつ,症状として精神運動抑制が強い場合には,効果再現性が期待できない可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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