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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

ハロペリドール血中濃度モニタリングの現状と問題点—服薬採血スケジュールと併用薬剤の影響について

著者: 染矢俊幸1 広兼元太2 尾関祐二2 野口俊文2 村下淳2 塩入俊樹2 下田和孝2 高橋三郎2

所属機関: 1滋賀医科大学保健管理センター 2滋賀医科大学精神科

ページ範囲:P.835 - P.842

 【抄録】ハロペリドール血中濃度モニタリングの現状把握と問題点の整理,併用薬剤のハロペリドール濃度に及ぼす影響について検討を行った。その結果,同一用量でも血中ハロペリドール濃度は6.5〜8.1倍という大きな個体差が認められ,ハロペリドール単剤服川・早朝服薬前採血での個体差(3〜4倍)に比べてばらつきが大きいことが明らかにされた。ハロペリドールを0.2mg/kgBW服用した場合の平均血中濃度は12.7ng/mlで,早朝服薬前採血・クロマトグラフィーによる測定に比べて約1.5〜1.8倍の高値であった。この高値は,採血時闇が朝の服薬後であること,測定方法がEIA法であることで説明された。また約1.5〜1.8倍高い濃度が得られるために,十分量を用いていない段階で誤ってノンレスポンダーと判断される危険があり,注意が必要と思われた。併用薬剤の影響については,カルバマゼピン,フェノバルビタールは血中ハロペリドール濃度を低下させ,パーフェナジン,フルフェナジンは上昇させるという結果が得られた。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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