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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻8号

1996年08月発行

文献概要

短報

抗真菌薬イトラコナゾール併用により急速にハロペリドール血中濃度が上昇した1例

著者: 大沼徹1 岩本典彦1 新井平伊1 永田俊彦1 井上令一1

所属機関: 1順天堂大学医学部附属越谷病院精神医学教室

ページ範囲:P.865 - P.867

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 抗精神病薬における薬物相互作用については多くの報告があり,ハロペリドールにも相互作用を有する薬物が存在する6)。一方,アゾール系経口抗真菌剤の開発に伴い,同剤の薬剤相互作用に関する報告もあり,例えば抗ヒスタミン剤のテルフェナジンとの併用で生ずる重篤な心血管系副作用の増強5,12),トリアゾラムとの併用におけるトリアゾラムの作用増強および延長14)などであり,これらの薬剤との併用は禁忌とされている。このように,アゾール系経口抗真菌剤には相互作用を有する薬物が数多く存在するが,ハロペリドールとの相互作川についてはまだ報告がない。
 今回我々は,ハロペリドール服用中にアゾール系経口抗真菌剤の一種であるイトラコナゾールを併用したところ,ハロペリドール血中膿度が併用期間中のみに上昇した精神分裂病症例を経験し,両薬剤の相互作用の可能性が疑われたので,ここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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