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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻8号

1996年08月発行

文献概要

短報

ドーパミン受容体作働薬pergolideが有効であった治療抵抗性うつ病の1例

著者: 泉剛1 井上猛1 土屋潔1 傳田健三1 大森哲郎1 小山司1

所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.868 - P.870

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 うつ病の約30%は十分量の三環系抗うつ薬に反応せず,病相が遷延する。このような治療抵抗性のうつ病に対して,薬理学的に性質の異なる抗うつ薬の併用,抗うつ薬とlithiumや甲状腺剤の併用,MAO阻害薬,モノアミン前駆物質,carbamazepine,性ホルモン剤,電気けいれん療法など,いろいろな治療法が試みられてきた6)。従来より未治療のうつ病患者の髄液で,ドーパミンの代謝産物であるhomovanillic acid(HVA)の濃度が低下していることが報告されている6)。この知見に基づいて,うつ病に対してもドーパミン作用薬の投与が試みられてきた。当教室でもこれまで治療抵抗性のうつ病に対して,bromocriptineによる治療を試み,有効であったことを報告している4,5)。今回,我々は,老年期発症の治療抵抗性うつ病に対して,ドーパミン受容体作働薬であるpergolideが有効であった症例を経験したので,経過を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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