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特別寄稿
準感情病性人格障害(Subaffective Personality Disorders)
著者: H. Saß1 西村勝治2
所属機関: 1 2東京女子医科大学精神医学教室
ページ範囲:P.885 - P.894
文献購入ページに移動■はじめに
Ⅰ軸で記載される二大精神病の治療と予後は,Ⅱ軸上の際だった性格傾向や,特に人格障害に大きく影響される。かつて異常な人格徴候のほとんどは,Kurt Schneider,Kretschmer,Petrilowitsch,Leonhardらの概念に従った類型学的記載の中でとらえられたが,当然そこにはかなりの多様性や辺縁の不鮮明さが存在した。今日の分類システムでは,信頼性向上の要請に伴って,人格診断にもまた新たな基礎が与えられた。詳記された算入除外基準や明確に定義された診断のアルゴリズムは,精神科患者における人格の異常性の,より確かな記載に役立つはずである。さらに,構造化された調査方法を適用することで,人格領域においても診断の信頼性が高められよう。しかしだからといって,より多数の一致によって決定されたものの妥当性が保証されるわけではない24)。
Ⅰ軸で記載される二大精神病の治療と予後は,Ⅱ軸上の際だった性格傾向や,特に人格障害に大きく影響される。かつて異常な人格徴候のほとんどは,Kurt Schneider,Kretschmer,Petrilowitsch,Leonhardらの概念に従った類型学的記載の中でとらえられたが,当然そこにはかなりの多様性や辺縁の不鮮明さが存在した。今日の分類システムでは,信頼性向上の要請に伴って,人格診断にもまた新たな基礎が与えられた。詳記された算入除外基準や明確に定義された診断のアルゴリズムは,精神科患者における人格の異常性の,より確かな記載に役立つはずである。さらに,構造化された調査方法を適用することで,人格領域においても診断の信頼性が高められよう。しかしだからといって,より多数の一致によって決定されたものの妥当性が保証されるわけではない24)。
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