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研究と報告
長期間症状の安定している慢性の精神分裂病患者に対する薬物減量の試み
著者: 鶴田聡1
所属機関: 1慈光会病院精神神経科
ページ範囲:P.929 - P.937
文献購入ページに移動 【抄録】発症後10年以上経過している慢性の精神分裂病患者のうち,2年間症状が軽く安定しているために抗精神病薬の変更の必要性がなかった患者(A群)と,症状はそれほど安定はしていないが,やはり2年間抗精神病薬の変更の必要性がなかった患者(C群)に対し薬物総量の1/2〜1/3を目標に薬物の減量を行い,減量後の症状変化を2年間追跡し,薬物量を維持したそれぞれの対照群(B,D群)と比較した。非再発例の症状変化と再発例の再発前駆症状は区別し難かった。再発率はA群65%,B群9%,C群70%,D群75%であった。観察開始時の症状と観察終了時の症状を比較検討するとA,C群ともに症状を悪化させずに減量できたとは言い難かった。
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