icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻9号

1996年09月発行

研究と報告

実存的苦痛からうつ状態に陥り安楽死を要求した終末期癌患者の2例

著者: 森田達也1 井上聡1 千原明1

所属機関: 1聖隷三方原病院ホスピス

ページ範囲:P.939 - P.947

文献概要

 【抄録】我々は,実存的な理由からうつ状態に陥った終末期癌患者で安楽死を要求した2症例を報告した。いずれも精神医学的な検討の結果,理性的であると判断された。1例では実存的苦痛に対するホスピスケアと間欠的鎮静を組み合わせることで苦痛を緩和することに成功し,1例では,生命予後が極めて不良と予測されたために症状緩和のための鎮静が施行された。我々は,症例の検討を通じて,終末期癌患者のうつ状態の評価,実存的苦痛に対するホスピスケア,症状緩和のための鎮静の,医学的,倫理的必要性と妥当性を検討し,このような患者に対する対応のモデルを提示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら