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短報
Clomipramineによる治療中に躁状態を呈した強迫性障害の1例
著者: 井原裕1 西鳴康一2
所属機関: 1ケンブリッジ大学精神科 2自治医科大学精神科
ページ範囲:P.979 - P.981
文献購入ページに移動clomipramineの抗強迫効果は,スペインでは1969年の臨床導入以来知られ3),アメリカでも1980年代以後serotonin受容体との関連で研究されている10)。一方,気分障害の抗うつ剤治療の際の躁転はしばしば経験され,佐々木ら7)の調査もあるが,強迫性障害のclomipramine療法中の躁状態の報告は少なく6,12),我々の知るかぎり本邦にはない。
このたび我々は,双極性障害の既往のなかった強迫性障害患者において,clomipramine療法中に躁状態が惹起された1例を経験した。
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