icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻9号

1996年09月発行

短報

緊張病様症状を呈し髄液所見が正常であった脳炎の1症例

著者: 石塚千秋1 多田幸司1 松浦雅人1 鈴木健史1 高橋栄1 小島卓也1 小野真一2 高須俊明2

所属機関: 1日本大学医学部精神神経科 2日本大学医学部神経内科

ページ範囲:P.983 - P.985

文献概要

 急性ウイルス性脳炎の診断には髄液の細胞数,種類および抗体価など髄液からの情報が極めて重要である。また,最近では脳炎の急性期にMRIにより限局した病巣が検出されるという報告も増えている1,5,6)。今回,我々は感冒様症状の後,興奮および昏迷状態を呈し,脳波検査で徐波性異常がみられたものの髄液の細胞数は正常範囲にあり,ウイルスの髄液抗体価も低く,早期診断が困難であった症例を経験した。髄液の検査所見は急性脳炎の診断に欠かせないものであるが,本症例のように髄液所見が正常な脳炎の存在を認識することはその初期診断にとって重要なことと考え,ここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら