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文献詳細

雑誌文献

精神医学38巻9号

1996年09月発行

文献概要

私のカルテから

Thioproperazineにより急速な改善をみた解離性同一性障害の1例

著者: 山田幸彦1 山田貴子2

所属機関: 1朝霞病院 2順天堂大学精神医学教室

ページ範囲:P.1006 - P.1007

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 近年,主としてジャーナリスティックな次元でではあるが,話題になることの多い多重人格障害(Multiple Personality Disorder:以下MPDと略,DSM-Ⅳでは解離性同一性障害:Dissociative Identity Disorder)の病態は,古くから報告されていたものである。ただし,その報告例数は国の内外を問わず極めて少なく2,4,5),日常の臨床の場ではほとんど出会うことのないものであり,その病態自体の複雑さと相まって,一般にその治療は容易ではないものとされてきた。今回,我々は,劇的な人格交代を呈した1例の,18日余に及んだ解離性同一性障害の病態を,thioproperazine(以下TPPZと略)投与により3日間で改善することができたので,その病態,経過などにつき若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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