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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻1号

1997年01月発行

研究と報告

分裂病入院患者にみられる慢性便秘・麻痺性イレウス・巨大結腸症

著者: 羽生丕1 大石陽子1 木田孝志1 川端啓介1 岩渕正之1 水谷喜彦2 江畑敬介3 風祭元3

所属機関: 1東京都立松沢病院外科 2東京都立松沢病院臨床検査科 3東京都立松沢病院精神科

ページ範囲:P.23 - P.29

文献概要

 【抄録】高度の便秘を呈した精神分裂病患者22例について,分裂病の治療歴を調査し,大腸機能検査を行い,以下の結果を得た。(1)マーカー法を用いた大腸運動機能検査では,22例中19例に大腸通過時間の著明な延長が認められた。残存マーカーの大腸内分布パターンをみると,直腸型は1例にすぎず,S状結腸より口側にマーカーが停滞するものが16例と大多数を占めた。このことから,分裂病患者の慢性便秘は弛緩性便秘の要素が強いと考えられた。(2)巨大結腸症を伴うものが16例にみられた。手術例の全例で,結腸壁内のAuerbach神経叢の萎縮が認められた。このことが,これらの症例における大腸運動機能の障害に関与すると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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