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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻1号

1997年01月発行

文献概要

研究と報告

インターフェロンによる精神症状—Wieckの通過症候群による考察

著者: 佐々木信幸1 深津亮1 古瀬勉2 長野方紀2 高畑直彦1

所属機関: 1札幌医科大学神経精神医学教室 2旭川赤十字病院精神神経科

ページ範囲:P.51 - P.58

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 【抄録】C型慢性肝炎におけるインターフェロン療法によって種々の精神症状(抑うつ,不安焦燥,軽躁,健忘症状,傾眠)を呈した5例に対して,脳波,高次脳機能検査を継続的に行った。脳波では3例に徐波化,3例に低振幅とα波の出現率の低さを認めた。高次脳機能検査では4例に図形認知障害,4例にWAIS-Rでの動作性IQの低得点を認めた。また「緩慢な思考」と「(自ら訂正可能な程度の)不注意な間違え」が特徴的に観察された。臨床症状,脳波,高次脳機能検査の結果から,全例に軽度から重度の意識混濁が存在すると考えられた。各症例の病像の変化はWieck,Hの通過症候群を中心とした機能性精神病の概念によく合致する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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