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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻1号

1997年01月発行

文献概要

短報

運動ニューロン疾患を伴う初老期痴呆症例の脳糖代謝機能—PETによる検討

著者: 松坂尚1 鈴木利人1 佐々木恵美1 堀孝文1 白石博康1 吉澤利弘2 吉川京燦3 宇野公一3 有水昇3

所属機関: 1筑波大学臨床医学系精神医学 2筑波大学臨床医学系神経内科 3千葉大学医学部放射線医学

ページ範囲:P.73 - P.76

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 1979年,三山ら7,8)は筋萎縮性側索硬化症などの運動ニューロン疾患とともに記銘力障害や人格変化などの痴呆症状を呈する脳変性疾患に対して,運動ニューロン疾患を伴う初老期痴呆(presenile dementia with motor neuron disease)という概念を提唱した。最近,本症の脳の機能的変化を臨床的に検討するためSPECT所見も報告9,10,13)され,アルツハイマー病やピック病の所見と比較検討されている。一方,近年脳の酸素消費やグルコース代謝などの代謝機能の検査にPETが利用されている。
 今回,我々は運動ニューロン疾患を伴う初老期痴呆と臨床診断された60歳の女性例についてPETやSPECTを用い,本症の脳糖代謝機能や脳血流機能の特徴を検討した結果,示唆に富む所見が得られたので若干の考察を加え報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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