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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻1号

1997年01月発行

短報

季節性感情障害を父に持つ睡眠相後退症候群の兄妹例

著者: 明石拓爾12 藤原豊13 山口耕司14 黒田重利1

所属機関: 1岡山大学医学部神経精神医学教室 2河田病院 3高岡病院 4福山友愛病院

ページ範囲:P.89 - P.92

文献概要

 近年,睡眠障害の中に睡眠・覚醒リズム障害の存在が認識されるようになった。そのうち最も頻度が多く,怠業や登校拒否と誤って認識され,臨床的に問題になるのが,睡眠相後退症候群(delayed sleep phase syndromes;DSPS)である1,4)。睡眠・覚醒リズム障害の発症誘因としては,対人関係の問題や環境変化,身体疾患などが約半数にみられるが,誘因のないものが半数あるのも事実である。また,我が国では,両親や同胞に同様なリズム障害の遺伝負因を持つものが13.4%存在すると報告されている4)。これは,家庭内での生活習慣など共通の環境要因に起因するものか,遺伝的素因の重要性を示唆するものか,議論の分かれるところであり,詳細な検討が必要と思われる。今回,我々は環境要因の共通性に乏しく,父親が季節性感情障害と思われる睡眠相後退症候群の兄妹例を報告し,睡眠・覚醒リズム障害の発症誘因としての遺伝的素因に関して考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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