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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻1号

1997年01月発行

文献概要

短報

Trazodone投与中性欲の異常亢進を呈した妄想性うつ病の1女性例

著者: 堀正士1 新井哲明2 嶋崎素吉3 鈴木利人1 白石博康1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系精神医学 2東京都精神医学総合研究所 3有朋会栗田病院

ページ範囲:P.97 - P.99

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 trazodone(レスリン®,デジレル®)は,心血管系の副作用が軽微で,抗コリン系副作用が少ないことなどから,高齢者や身体疾患を合併したうつ病患者に対して比較的投与しやすい薬剤とされている2)。しかしその反面,副作用として稀ではあるが,持続陰茎勃起症が知られており,治療的緊急性を要する場合もあることから,男性患者では注意を要する7,9,10)。一方で,単に身体的な異常にとどまらず,性欲そのものを亢進させるという報告も近年みられるようになってきた4,6,8)が,その発現頻度は極めて低く,本邦での報告は見当たらない。今回我々はtrazodone投与中に耐え難い性欲の亢進を呈した,妄想性うつ病の1女性例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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