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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻10号

1997年10月発行

研究と報告

覚醒剤中毒者9人の30年後

著者: 立津政順12 花輪昭太郎23 濱元純一23

所属機関: 1熊本大学 2元都立松沢病院 3熊本県立こころの医療センター

ページ範囲:P.1035 - P.1043

文献概要

 【抄録】1955年7月頃,第一次覚醒剤乱用期が終わると,松沢病院の中毒の新入院と在院の患者が激減した。しかし,分裂病状態の8人と,これと躁うつ病状態の合併の1人は,後30余年も入院している。まず,これらの例の状態の概要を具体的に記した。9例に共通することとして,自発性の障害が目立つ。以上から,分裂病状態は治り難い。本状態の構成症状の無為,無力-弛緩状態なども治り難い。躁うつ病状態,好褥などは治りやすい。30余年後と当初の状態を比較して,改善と不変が各3例,進行が脳外傷の合併の1例,判断困難が2例。脳外傷・ロボトミーなどを受けていない4例では,CT像に,粗大な変化は認められない。中毒精神障害は,30余年経っても,著明なものが続いている。それと分裂病とは,状態だけではなく,経過についてもよく似ている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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