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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻10号

1997年10月発行

文献概要

研究と報告

1名の非24時間睡眠・覚醒症候群の睡眠・覚醒—リズムの発現様式について

著者: 石井浩喜1 小鳥居湛2 内村直尚1 石田重信1 林田隆晴3 中沢洋一4

所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科 2小鳥居諫早病院 3一本松病院 4十全病院

ページ範囲:P.1053 - P.1061

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 【抄録】約1年にわたって非24時間睡眠・覚醒リズムを呈した1例の睡眠日誌から睡眠・覚醒行動様式について分析した。その結果,入眠の頻度は22時から4時にかけてもっとも高く,18時から21時にかけては入眠および出眠の頻度も著しく低かった。また,睡眠・覚醒周期は平均25.2時間であったが,夜間に入眠した場合は24時間をわずかに超える程度であり,昼間に入眠した場合は25.2時間より大きく,時にはサーカディアン周期を逸脱した。睡眠・覚醒周期には周期的な変動が存在し,時計時間とに相対的協調が認められた。本例にみられた相対的協調の発現機序について,1日24時間周期の残遺性の生体リズムの影響と同調因子に対する感受性の心理的減弱から推論を試み,治療については,生体リズムの周期を1日24時間に是正,強化するための光療法などの時間生物学的治療と,社会的同調因子に対する感受性を高めるための家族療法などの心理的治療の必要性について論じた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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