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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻10号

1997年10月発行

研究と報告

睡眠時無呼吸を合併した末端肥大症の3例

著者: 荒井秀樹1 古田寿一1 上野勝彦2 小坂一登1 金田礼三1 越野好文1 佐野譲3 山口成良4 藤井寿美恵5 中林肇5

所属機関: 1金沢大学医学部神経精神医学教室 2石川県立高松病院 3国立金沢病院神経科 4松原病院 5金沢大学医学部第2内科学教室

ページ範囲:P.1063 - P.1068

文献概要

 【抄録】末端肥大症はそのほとんどが成長ホルモン(GH)産生下垂体腫瘍によるGH分泌過剰が原因の疾患である。末端肥大症ではしばしば睡眠時無呼吸症候群(SAS)が合併するといわれているが,今回SASを合併した末端肥大症3症例を経験した。症例1は74歳男性で,いびき,日中の眠気および夜間の入眠障害の愁訴を認めた。症例2は33歳男性,症例3は50歳男性でいずれもいびきを認めたものの睡眠覚醒愁訴は認めなかった。治療前の終夜睡眠ポリグラフィ(PSG)では,症例1は閉塞型優位,症例2は中枢型優位そして症例3は混合型優位のSASがみられた。治療後,各症例ともGH値の著しい改善を認めたにもかかわらず,SASに改善が認められたのは症例2のみであった。混合型無呼吸優位であり,夜間の低酸素血症が著明であった症例3に対しては経鼻的持続陽圧呼吸(nasal CPAP)療法を行い,無呼吸,無呼吸に伴う低酸素血症や睡眠構築に著しい改善を認め,nasal CPAPが有効であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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