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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻10号

1997年10月発行

文献概要

研究と報告

せん妄に対するトラゾドンの治療効果

著者: 岡本泰昌1 末田耕一1 吉村靖司1 高見浩12 松岡豊1 日域広昭13 高橋輝道1 大森信忠1 佐々木高伸4 山脇成人3

所属機関: 1国立呉病院中国地方がんセンター精神科 2広島市精神保健福祉センター 3広島大学医学部神経精神医学教室 4広島市民病院精神科

ページ範囲:P.1103 - P.1108

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 【抄録】我々は,トラゾドンのせん妄に対する効果を経時的に検討したので報告する。当院入院中の患者のうち,せん妄状態(DSM-Ⅲ-R)を呈した9例を対象とし,せん妄は,Delirium Rating Scaleを用い,投与前および投与後1日目,3日目,7日目,14日目に評価した。その結果,ほとんどの症例がトラゾドン投与後1〜3日以内に明らかな改善を示したこと,約半数の症例ではあらかじめせん妄に有効とされる薬剤の投与を受けていたにもかかわらず改善がみられなかったことから,トラゾドンはせん妄に対する何らかの治療効果を有するものと考えられた。さらに副作用を認めたものはなく,安全性が高いことも示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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