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特集 精神科における合理的薬物選択アルゴリズム
双極性障害の治療ガイドライン
著者: 樋口輝彦1 本橋伸高2
所属機関: 1昭和大学藤が丘病院精神神経科 2国立精神・神経センター武蔵野病院
ページ範囲:P.1161 - P.1168
文献購入ページに移動ここ数年,精神疾患の治療,特に薬物療法に関するガイドラインが検討され,発表されるようになった。躁病に関してだけでも,1994年に出版された“Treatment of Patients with Bipolar Disorder”(APAにより作成されたガイドライン)1),1995年に出版された“Algorithms for the Treatment of Bipolar,Manic-Depressive Illness”(International Psychopharmacology Algorithm Project;IPAPの米国版)2),1996年のJCP(Journal of Clinical Psychiatry)誌上に掲載された“Treatment of Bipolar Disorder”3)の3つがある。これらは,それぞれ作成された経緯や背景は異なっているが,いずれも米国中心で行われたという共通性がある。しかし,その後,例えばIPAPは欧州版を準備しているし,少し古いがWHOでも取り組まれた経緯があり,今や全世界的規模で治療のガイドライン作成の機運が高まっていると言っても言いすぎではなかろう。現在,我が国でもIPAPの日本版の作成が進行中であり,また厚生省の厚生科学研究の一環としてガイドラインの作成が行われている。ここでは,先行して出版された上記3つのガイドラインのうち,主としてIPAPの米国版を中心に紹介し,他のガイドラインとの類似点,相違点を明らかにすることでそれぞれのガイドラインの特徴を明確にしたい。
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