文献詳細
特集 精神科における合理的薬物選択アルゴリズム
我が国における大うつ病(非精神病性)に対する薬物療法の現状分析—薬物療法研究会の調査結果から
著者: 久保田正春1 篠原学1 加賀美真人1 塩江邦彦1 神庭重信1
所属機関: 1山梨医科大学精神神経医学講座
ページ範囲:P.1169 - P.1173
文献概要
近年,精神科におけるevidenceを重視した薬物療法のガイドラインを作ろうとする試みが欧米を中心として盛んであり,すでにアメリカではIPAP(International Psychopharmacology Algorithm Project)という研究グループがアルゴリズムを完成している1)。我が国においても,気分障害と精神分裂病に関しては,精神科薬物療法研究会が日本版アルゴリズムを作成中である。この作業を行う上で我が国の実状を把握するために,第1段階として,現場の精神科医が実際にどのように薬物を選択しているかを調査した2)。その中で,日本の現状はアメリカのアルゴリズムで提唱されている治療の流れとはいくつかの相違があることが明らかとなってきている。ここでは,大うつ病(非精神病性)について,薬物療法研究会が行った調査の概要と結果を示し,IPAPのアルゴリズムの指針との相違を明らかにしてゆく。
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