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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻11号

1997年11月発行

研究と報告

—卵性双生児の双極性感情障害不一致例—臨床経過を分けた非遺伝的要因に関する考察

著者: 大森哲郎1 小山司1

所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.1189 - P.1196

文献概要

 【抄録】一卵性双生児の双極性感情障害不一致例を報告した。双生児の一方は,双極性感情障害を20代に発症し,十数年にわたって躁うつ両病相を反復した。双生児の他方は,前思春期に一過性に原因不明の衰弱状態に陥ったが,その後はまったく問題なく過ごしている。両者は,生育環境を共有し,形成された性格傾向は類似している。また,成人後の環境要因も一方の発病初期を除いては大きな開きはない。我々は,経過を分けた最大の要因として,素因のある個体が環境要因によって発病し再発を繰り返すと,脳内になんらかの可塑的変化が刻印され,それが再発準備要因となって以降の病相発現を促すという可能性を提案する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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