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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻11号

1997年11月発行

文献概要

研究と報告

パニック障害と自殺企図を示した人格障害患者の特徴

著者: 児玉和宏1 熊切力1 岡田真一1 山内直人1 高橋徹2 野田慎吾1 小松尚也1 村上敦浩1 佐藤甫夫1

所属機関: 1千葉大学医学部精神医学教室 2東京国際大学人間社会学部

ページ範囲:P.1217 - P.1224

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 【抄録】当初パニック障害(DSM-III-R)と診断され,後に自殺企図を行った人格障害患者3例の臨床精神医学的特徴について検討した。3例においてパニック発作は難治であり,経過中に抑うつが出現した。家族背景において,実父母の自殺もしくは自殺企図,夫のアルコール依存症,弟の覚醒剤乱用などの問題があった。抑うつと自殺企図の直接の関連は強いとはいえなかった。人格障害における衝動コントロールの悪さは自殺企図と関連していた。パニック障害患者であっても,家族背景が複雑で,パニック発作が難治であり,他の精神症状が出現したり,人格障害と診断されるときには,自殺・自殺企図の危険に常に留意する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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