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短報
長期にわたり精神病様症状の持続した若年発症ハンチントン病の1剖検例
著者: 金井晶子12 河西千秋12 杉山直也12 小田原俊成1 井関栄三1 小阪憲司1 武市早苗3
所属機関: 1横浜市立大学医学部精神医学教室 2清心会藤沢病院 3東海大学医学部法医学教室
ページ範囲:P.1225 - P.1228
文献購入ページに移動ハンチントン病(Huntington's disease;HD)は,優性遺伝,成人発症,舞踏病様運動,精神症状,人格変化,痴呆を特徴とする緩徐進行性の変性疾患である。1993年に第4染色体短腕(4p16.3)のHD遺伝子(IT 15)にCAG repeatの延長が同定されて以来10),CAG repeat数と臨床症状との相関や線条体をはじめとする神経病理所見との対応の有無が検討されている。我々はHDでこれまでに記載のない体感幻覚・作為体験からなる精神病様症状が長期にわたって持続し,明らかな痴呆を示すことなく経過7年で突然死したが,剖検と遺伝子解析により診断の確定した若年発症の女子HD例を経験したので報告するとともに,HDの病態機序に関して若干の考察を行う。
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