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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻11号

1997年11月発行

文献概要

短報

幻覚・妄想を伴ったインスリン依存型糖尿病の2症例

著者: 中里道子1 児玉和宏1 佐藤甫夫1 佐藤真理2 宮本茂樹3

所属機関: 1千葉大学医学部神経精神医学教室 2千葉県こども病院精神科 3千葉県こども病院内分泌科

ページ範囲:P.1237 - P.1239

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 インスリン依存型糖尿病(Insulin-dependent diabetes mellitus;IDDM)は,血糖値測定,インスリン自己注射,食事療法など,長期にわたる身体管理を要する慢性疾患である。ケトアシドーシスや低血糖などの急性合併症,網膜症,腎症などの慢性合併症を予防するためには,厳格な血糖値コントロールが必要とされる。
 IDDMに精神障害を伴う場合,精神症状の管理が身体合併症の予防や長期的な予後にとって,極めて重要である。精神障害を伴ったIDDMに関する報告は少なく,精神分裂病の合併は極めてまれであると言われている。近年,幻覚・妄想を伴ったIDDMの2症例を経験した。この2症例では,小児科,精神科の協力体制が治療上有効であり,精神症状が著明に改善し,血糖値のコントロールも安定し,糖尿病の長期予後も良好に保たれている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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