icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻12号

1997年12月発行

文献概要

研究と報告

ボルナ病ウイルス感染と精神分裂病

著者: 岩橋和彦1 渡辺金朗1 中村和彦1 藤原淑恵1 磯島玄1 洲脇寛1 中屋隆明2 中村百合恵2 高橋宏和2 生田和良2

所属機関: 1香川医科大学精神神経科 2北海道大学免疫科学研究所

ページ範囲:P.1275 - P.1279

文献購入ページに移動
 【抄録】ボルナ病ウイルス(BDV)感染と精神分裂病の関係を検討する目的で,精神分裂病(DSM-IV)入院患者67例を対象に,Western blot法によるBDV抗体,およびPCR法によるBDVのRNA産物の検索と,これら陽陰性群問での患者特性,投与薬剤の比較検討を行った。その結果,健常者群21人中1人(5%)のみにBDVのRNAを検出したのに対し,精神分裂病患者群67例中30例(45%)で,抗BDV抗体もしくはBDVのRNAを検出し,これら陽陰性群間で,総入院期間のみならず,遺伝歴,輸血や結核の既往,身体合併症,薬物投与量,肥満度において有意差は認められなかった。これらの結果をもとに,精神分裂病罹病に院内感染ではないボルナ病ウイルス感染が関与している可能性を考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?