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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻12号

1997年12月発行

文献概要

研究と報告

発症後長期にわたり顕著な行動障害を呈した右尾状核の虚血病変の1例

著者: 仲秋秀太郎1 吉田伸一1 鈴木美代子1 新畑敬子1 濱中淑彦1 中村光2

所属機関: 1名古屋市立大学医学部精神科 2日本聴能言語福祉学院

ページ範囲:P.1303 - P.1309

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 【抄録】頭部CTで右尾状核に限局した虚血病変がみられ,発症後4年半にわたり著明な行動障害を示した症例(男性,31歳)を報告した。行動障害は脱抑制(急性期)から無為(慢性期)へと変化した。また,本症例は日常生活の決まりきった行動以外には柔軟に対処できなくなった。頭部SPECTでは右尾状核と右前頭葉底部の血流低下を認め,行動障害と前頭葉の機能低下との関連が示唆された。一方,神経心理学的検査では知能,記憶や“前頭葉機能”の障害は軽度だったので,検査成績と日常生活の行動障害との関係は単純ではないと考えた。さらに本症例の行動障害をSupervisory AttentionalSystem(Shalliceら,1991)の障害の観点から検討した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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