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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻12号

1997年12月発行

研究と報告

精神分裂病の思考障害と事象関連電位

著者: 岡島由佳1 桑門大1 磯野浩1 岩波明1 上島国利1

所属機関: 1昭和大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.1317 - P.1323

文献概要

 【抄録】精神分裂病患者の思考障害を,Harrow思考障害スケールを用いて評価し,事象関連電位との関係を検討した。対象はDSM-IVの診断基準を満たす精神症状の安定した抗精神病薬服用中の分裂病患者19例(男性12例,女性7例)であった。事象関連電位の課題は標準的なoddball課題と,Courchesneらのnovel課題を用いた。oddball課題の標的刺激に対してPz優位のP300が出現したが,novel課題のnovel刺激に対してはCz,Pz優位のP300が出現し,P3bに加えてCz優位のP3aが出現していると考えられた。非思考障害群と比較して思考障害群において,oddball課題のP300振幅が有意に減衰していた。以上の結果より,分裂病患者の思考障害とP3b振幅減衰は密接な関係を持つことが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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