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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻12号

1997年12月発行

文献概要

資料

医学および精神医学における説明と了解

著者: 高橋潔2 川合一嘉2 濱中淑彦2 高林功3

所属機関: 1Institut für Medizin-und Wissenschafts-geschjchte, Medizinische Universität zu Lübeck 2名古屋市立大学医学部精神医学教室 3八事病院精神科

ページ範囲:P.1337 - P.1346

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■意義と背景
 哲学と医学の関係は古代以来,変化しつつ連綿と続いている。現実科学Realwissenschaftの実践である医学,とりわけ精神医学の実践は,この関係にさらに特殊な次元を拓いている。哲学と様々な個別科学との関連は繰り返し確認されてきた。しかしこの関連は,発展ということに目を向けるとき,その真の原因たりうるのだろうか,それとも単にこの発展に付随するにすぎないものなのだろうか。Baconの科学哲学は,自然科学や医学の進むべき道を実際に示しえたのだろうか。むしろ科学の発展の精神世界への反映がこの哲学ではなかったのだろうか。
 医学および精神医学からは,さらに次のように問えるだろう。治療実践は,公刊された学問的見解に,どれほど一致しているのだろうか。医学の実践と理論はそれぞれ多元的で段階的であって,その結びつき方は様々である。例えば,自然科学的な疾患概念が医者と患者の実存的な交流を閉め出すわけではない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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