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雑誌目次

論文

精神医学39巻2号

1997年02月発行

雑誌目次

巻頭言

精神科救急医療システムの構築

著者: 酒井正雄

ページ範囲:P.116 - P.117

 精神科医療の重心が施設・入院から地域・通院に移るにつれて,どんな精神科医療機関においても,頻度の多寡はあるが,救急事例に遭遇することは日常的となっている。臨床的観点からすれば,精神科救急医療の機能は特定の救急施設に偏在するものではなく,あらゆる施設に救急機能が遍在していなければならないはずである。しかし,現実には,様々な理由から,伝統的な医療原則に則った[医療モデル]の救急医療は破綻を来すようになり,救急病床の確保を主目的とした,いくつかの自治体が公共事業として運営する,広域の救急診療圏と膨大な対象人口を抱えた,[行政モデル]の精神科救急医療システムに頼らざるをえなくなっている地域が増えている。そして,厚生省保健医療局長通知(健医発第1321号,平成7年10月27日)に基づく,休日・夜間等における精神科救急医療システム整備事業が現在各都道府県で進められており,数年後には全都道府県が[行政モデル]の精神科救急医療システムを持つようになる。しかし,これで精神科救急医療の諸問題が解決されるわけではない。
 最もハードな精神科救急医療を,一般救急医療システムとの対比で第三次救急医療とすれば,精神科救急医療システムの構築順序は,一次から二次へ,要すれば三次へというのが,本来あるべき姿である。ところが,精神科救急医療システム整備は,行政優先で三次から始まって,本末転倒した形のまま現在に至っており,現在進行中のシステム整備事業も[二次+三次救急]に位置づけられている。精神科救急では,トリアージュの基準が緩ければ,医療機関にアクセスする救急事例は一次救急事例を裾野として,三次救急事例を頂点とする火山状の分布パターンを描くし,基準を厳しくすれば,社会的救急事例や三次救急事例の比率が高くなる。どのような形態をとるにせよ,[行政モデル]の精神科救急医療システムであるかぎり,この頂点に近い部分の対応に重点が置かれてしまうことは避けられない。

展望

精神科リハビリテーションの治療・支援技法の現状と課題

著者: 池淵恵美 ,   安西信雄

ページ範囲:P.118 - P.129

 我が国の精神科リハビリテーションは,新しい変化の時を迎えつつある。1972年に江副の編集により精神科リハビリテーションのそれまでの集大成ともいうべき著作23)が世に出されたが,そこでは昭和30年代より病院精神医学が盛んになり院外作業療法とナイトホスピタルが試みられ,またデイケア,家族会など地域医療の萌芽的な試みが行われた様子がまとめられている。当時は病院を起点として精神科リハビリテーションが組み立てられたということができるが,現在では共同作業所やデイケアの普及,さらにグループホームなどの広がりにより,視点を地域に移さなければ全体の動向を理解することができない。職業リハビリテーションの分野も,新しい発展を遂げつつある。近年,精神科リハビリテーションの成書5,28,36,38,47,63,76)が次々と出版されており,英米の教科書2,54,85,86)の訳出も盛んであるが,これらは今後の精神科リハビリテーションの発展のための模索の試みの中から生まれているもののように思われる。
 精神科リハビリテーションの技法も,いくつかの分野の発展により豊富になってきている。生活技能訓練(SST)や心理教育的家族療法の普及はめざましく,これらは患者・家族の精神障害観を変えるのみならず,支援者の側の障害観の変容をももたらしつつある。こうして,身体障害のリハビリテーションの中で発展してきた「障害論」との接点が拡大し,生物学的精神医学との接点も広がりつつある。生物学的な視点からの障害の本質の解明は,リハビリテーションの科学的な基盤を明らかにするであろう。

研究と報告

精神科訪問看護による精神分裂病の再発予防効果の検討

著者: 緒方明 ,   三村孝一 ,   今野えり子 ,   福田美香 ,   山本哲生 ,   藤田英介 ,   平田耕一 ,   樺島智

ページ範囲:P.131 - P.137

 【抄録】精神分裂病における精神科訪問看護の再発予防効果を対照群を用いて検討した。「訪問看護あり群」では1年再発率10%,2年再発率30%であり,「訪問看護なし群」では1年再発率50%,2年再発率80%であった。統計学的には「訪問看護あり群」が「訪問看護なし群」より,1年再発率で危険率5%で有意に,2年再発率で危険率10%で有意に再発率が低い傾向にあった。また平均在院日数は「訪問看護あり群」では15.8%に,「訪問看護なし群」では65.1%まで低下していた。再発契機はライフイベントや断薬・怠薬,再発症状は陽性症状と非精神病性症状が認められたが,精神障害者の社会福祉の充実には,それらの観察や援助が重要であることを指摘した。

通院分裂病患者の生活安定のための生き方について

著者: 三浦弘史

ページ範囲:P.139 - P.147

 【抄録】社会生活を安定させるために分裂病患者自身が行っている工夫や実際の生活ぶりを調査するため,当院で定期的に訪問看護をしている通院患者30例を筆者が訪問し,本人に直接インタビューした。その結果,患者は賦活再燃を避けるために発病エピソード自体を隠蔽しようと努力していることがわかった。将来と過去を封印し,現在の平穏な生活を少しでも長く維持しようとする慎重さがみられた。しかし,それは決して潤いのない無味乾燥的な生活ではなく,それぞれに生活の中でオアシス的時空間を持っていた。この防衛的側面と積極的側面をどう支持していくかが,普及している訪問看護の新しい視点になることを考察した。

慢性・内因性うつ病の類型

著者: 中西俊夫 ,   西岡和郎 ,   宮原研吾 ,   楠和憲 ,   鈴木陽 ,   岩川実知子 ,   平澤克己

ページ範囲:P.149 - P.157

 【抄録】DSM-ⅣのMajor Depressive Disorder with melancholic featuresの診断基準を満たし,1年以上症状が持続した者34名を調査した。横断面的症状をもとにクラスター分析した結果,Ⅰ群(不安・重症型),Ⅰ'群(制止・最重症型),Ⅱ群(軽症型)に分かれた。3群の間では各症状項目以外の外的パラメーターでは男女比を除いて統計学的有意差が認められなかったが,Ⅰ+Ⅰ'群とⅡ群を比較すると前者は女性の比率,不安尺度,6か月以内に経験したストレス,外向的性格傾向,神経症的傾向において,後者より有意に高かった。外向的で動揺しやすい性格傾向と高いストレスが,不安症状の強い重症の慢性抑うつ病像を呈しやすいことが示唆された。

うつ病の発病状況について—内因性概念の臨床的検討のために

著者: 矢部徹

ページ範囲:P.159 - P.166

 【抄録】強度の慢性疲労状態あるいは持続的な精神的重圧状況から発症した内因性うつ病像について,それぞれ生体機能の代償不全および情動因性侵襲による内因性抑うつ症候群の発現として解釈し,内因性うつ病の誘発機序を理解する手掛かりとして考察した。さらに誘発動因について指摘される疑問点,および笠原らの性格(状況)反応性の提唱に関連した知見の検討などから,発病状況に限らず日常的な状況についても,そのかかわり方の問題点に言及した。この観点から内因性うつ病の自生的発症と,病前性格特性との病因的関連について臨床的推論を試みた。

うつ状態を疑われ精神科通院をしていたACTH単独欠損症の1例

著者: 入江幸子 ,   小倉しおり ,   樋山光教 ,   伊藤博明 ,   安井正 ,   小田豊 ,   山内惟光

ページ範囲:P.167 - P.171

 【抄録】起立性低血圧,食思不振,不快気分,体重減少で発症したが,一般および消化器内科的異常が検出されなかったため,うつ状態を疑われ精神科通院をしていたACTH単独欠損症の中年男性例を経験した。自発性の低下,不快気分,食欲低下が前景で,うつ気分はなく,抗うつ剤と抗不安剤は無効であった。食物に対する嗅覚過敏のため摂食困難となり入院したところ,軽度の意識障害と低血糖,低Na血症,脳波異常がみられた。内分泌検査にてACTH単独欠損症と診断され,グルココルチコイド補充療法が著効した。慢性の情意障害に全身倦怠感,食思不振,低血圧,体重減少などを伴う場合,ACTH・コルチゾルを含む内分泌検査を行うことが重要である。

終末期癌患者にみられる否認

著者: 森田達也 ,   井上聡 ,   千原明

ページ範囲:P.173 - P.180

 【抄録】我々は,否認を示した終末期癌患者の27例について,精神科診断,否認の水準,認知・行動様式,強化因子,医療者に生じた葛藤,転帰を調査し,3症例を報告した。7名は(軽)躁病エピソードと診断された。否認の水準は2名で病名レベルであったが,25名では病状レベルであった。認知様式としては,1)将来は悪くなるかもしれないが,今は悪くない,2)今は悪いが,将来よくなる,3)今も悪くないし,将来はもっとよくなるというものがあった。行動様式としては,医療行為の拒否,民間療法や新興宗教への熱心な参加,非現実的な治療の要求,過剰な医師の理想化が認められた。強化因子として,家族の不安,患者の性格,社会支援の乏しさが同定でき,医療者の問題として,治療に関する葛藤,家族の問題,看護婦への過剰な要求が挙げられた。転帰は,受容・成熟した防衛52%,不安や抑うつ26%,否認の継続22%であった。

小児の機能性視覚障害—眼科医院における20年間の経験から

著者: 横山尚洋 ,   高山東洋 ,   長瀬又男

ページ範囲:P.181 - P.188

 【抄録】1976〜1995年の20年間に1眼科医院において310例の機能性視覚障害を経験した。年齢は8〜14歳に多く,性別では女児が男児の約3倍であり,従来の報告と同様の傾向を示した。心因の有無および随伴症状による4群への類型分類を試みたが約60%の例で心因を認めず,心理的機制のみでは説明困難であり,年齢特異性からは視機能の発達過程との密接な関係が推測された。精神医学的予後は良好であり,他の精神医学的症状あるいは問題行動はほとんど認められなかった。本症では診療の場により重症度に差がある可能性を指摘し,我々は眼科開業医を受診した症例を対象としたため軽症例が多かったものと考えた。年度別変化では予想と異なり近年むしろ減少している可能性が示唆された。

短報

痴呆患者のせん妄や情動障害に対するバルプロ酸の治療効果

著者: 堀口淳 ,   秋田清実 ,   塩田一雄 ,   助川鶴平 ,   山下英尚 ,   藤川徳美 ,   横田則夫 ,   山脇成人

ページ範囲:P.189 - P.191

 筆者らは以前にせん妄に対してhaloperidolやbromperidolを投与したが奏効せず,phenobarbitalとclonazepamの併用投与が奏効した脳血管性痴呆の1例について報告3)した。この治療経験から筆者らは,抗てんかん薬が痴呆患者のせん妄や,せん妄などの意識障害がないと考えられる時期の感情興奮や不機嫌あるいは暴力行為や拒絶などの問題行動で表現される情動の障害に対して有効である可能性を考え,各種の抗てんかん薬を痴呆患者に投与してきた。今回はその治療成績をretrospectiveに集積したところ,十分に経過観察しえた23例が抽出しえた。今回はこのうちの多剤併用投与例を除く6例のvalproic acid(以下,VA)の単剤投与例6例を検討したところ,良好な治療成績であったため,貴重な臨床知見と考え報告する。

緘黙,頸部前屈を特徴とする染色体異常の1例

著者: 丸井規博 ,   華園力 ,   菰田哲 ,   岸信之

ページ範囲:P.193 - P.195

 筆者らはジストニアとしては極めて稀な頸部前屈(以下antecollis)を呈した分裂病を2例報告してきた3,4)。今回,antecollisが染色体異常と関連すると考えられる症例を経験したので報告する。

慢性人工透析療法の経過中に「幻触」を呈した1例

著者: 柳橋雅彦 ,   安田聖子 ,   濱屋達郎

ページ範囲:P.197 - P.199

 慢性腎不全患者への人工透析治療中の精神神経症状については,不均衡症候群,透析脳症,尿毒症性脳症など,中枢神経合併症が病因の明らかなものとして知られている3)。一方,非定型的な症状および経過を呈し,症状精神病の範疇にあると考えられるが,病因の不鮮明なものがみられることも特徴である。今回,透析10年目より「幻触」という極めて稀な症状が出現し,この9年以上消長している症例を経験したので,若干の考察を加え報告する。

トリヨードサイロニンによって誘発された悪性症候群の1例

著者: 鈴木貴勝 ,   桑門大 ,   磯野浩 ,   川崎郁江 ,   大坪天平 ,   岩波明 ,   宮岡等 ,   井口喬 ,   上島国利

ページ範囲:P.201 - P.203

 悪性症候群は抗精神病薬によって引き起こされる重篤な副作用として知られている。その上,抗精神病薬以外にも抗うつ薬によるものや,抗パーキンソン薬の離脱による悪性症候群の報告もあり2),注意が必要とされている。今回我々は難治性の妄想性うつ病の1女性例に対し,augmentation therapyとしてアモキサピンに加えて投与した,トリヨードサイロニンが契機となって発症したと考えられる悪性症候群の1例を経験したので報告する。

小脳萎縮を呈したリチウム中毒の1例

著者: 深尾琢 ,   上松正幸

ページ範囲:P.205 - P.207

■はじめに
 リチウムは躁うつ病の治療を主体として,現在広く用いられている。一方,至適血中濃度は0.6〜1.2mEq/lとされ,2.0mEq/l以上では重篤な中毒に至る場合が圧倒的に多い。
 我々は,リチウムによる中毒症状の後に小脳失調症状と軽度の痴呆を呈し,MRI画像で小脳に萎縮を認めた症例を経験した。本論ではこの症例を呈示し,中毒症状の発現についての考察と,文献に報告された症例との比較検討を加えたい。

体温感覚および発汗の異常に対するclonazepamの効果

著者: 三好明 ,   中島肇 ,   寺園崇 ,   石井明光 ,   茶川治樹

ページ範囲:P.209 - P.211

 発汗異常や温度覚異常を訴える患者4名に対して,clonazepam(以下CZPと略す)を投与したところ,自覚症状が改善した。症例1でCZPが上記症状を改善したため,引き続き同様な訴えを有する3名に投与した。CZP投与前後の臨床経過や発汗異常などについて若干の考察を加えて報告した。

資料

母子精神保健からみた母親学級における産前教育に関する研究

著者: 岡野禎治 ,   増地聡子 ,   玉木領司 ,   野村純一 ,   村田真理子

ページ範囲:P.213 - P.218

■はじめに
 産褥期の精神障害の中でも産後うつ病はその出現頻度が高いこと6,13)から,地域での医療サービス体制12)や産科との連携1,2,15)は母子精神保健の重要な課題の1つである。しかしながら,長期研究では産後うつ病の約25%が出産後1年を経過しても,なおうつ状態である5,11)といわれ,夫婦関係3)や母子関係13)に与える影響が指摘されている。こうしたことから,最近英国の王立精神科医協会によるうつ病キャンペーンの中でも,産後うつ病の啓蒙が取り上げられ,予防についての関心も次第に高まっている9,10)
 一方,日本においては出産は「晴れの場」とみなされ,褥婦自身がうつ病に罹患しても,自覚できにくかったり,周囲に打ち明けにくいといった状況がある。その上,家族も本人の怠けや努力不足と考えがちであるため,早期受診が遅れる場合がある17)。また現在の日本の母子保健体制においては,産後1か月検診以降産後数か月後の乳幼児健診までの期間は医療機関との接触がない空白期間に相当し,母親が産後うつ病に罹患しても途方に暮れることが少なくない。
 したがって,産後うつ病の啓蒙は母子精神保健の観点からも極めて重要な課題であり,今日英国を中心に対策が講じられている9,12,15)。その中でも,Cox6)は妊産婦とその家族に対する産前教育が産後うつ病の予防に対して重要な役割を果たすと指摘している。
 我々は産科病棟に対するコンサルテーション・リエゾン・サービス18)の一環として,1988年から産科主催の母親学級において産後うつ病に関する産前教育を実践している。そこで,今回は産前教育の受講例のうち,産後に精神科を受診した産褥婦を対象として臨床統計的研究を行い,妊婦に対する産後うつ病の産前教育の効果と意義について検討したので報告する。

動き

日本精神病理学会第19回大会

著者: 花村誠一

ページ範囲:P.220 - P.221

 精神医学の変貌とともに,その基礎論ともいうべき精神病理学の刷新が求められているが,1996年10月2,3日,新潟市音楽文化会館で開催された日本精神病理学会第19回大会は,こういう要請に十分応えるものである。このたび会長を務められた飯田真教授は,みずから「双生児研究と精神病理学」と題された会長講演を行われたが,多次元精神医学と実証的な方法論というコンセプトのもと,本大会の通奏低音を担われたように思う。双生児症例を通して,神経症,分裂病,うつ病,双極性うつ病,非定型精神病,妄想性障害について,病前性格,臨床症状,経過予後を入念に分析しながら,予後を左右する「治療因」の意義に改めて刮目を促された。音楽にゆかりの会場にふさわしく,私が本大会で拝聴できたすべての発表には,この通奏低音が万遍なくしみわたり,2日間のあいだ,参加者全員による1つのオーケストレーションが実現したといっても過言ではない。
 会長講演にひき続き大ホールで行われたシンポジウムは,「精神病理学の可能性」を謳い,生物学的研究,計量精神医学,治療論的観点,社会精神医学という4つの局面とのインターフェースを試みるというものである。丹羽真一氏は「認知科学からみた分裂病の症状論」と題し,遺伝子・物質レベル—脳機能レベル—症状レベルという階層の非線型性,陽性症状と陰性症状の思弁的二分法に代わる三症候群仮説など,最新の話題にふれた。林直樹氏らは分裂病者の「病識の成り立ちと病に対する構え」について,独自に開発した患者役割受容(いわば「障害受容」)スケールを駆使しつつ,周到な計量精神医学的アプローチを試み,その成果の一端にふれた。丹羽氏はメタ表象機能に関する「心の理論(theory of mind)」仮説に拡げることで,林氏らは当該の評価が経過予後論や治療的介入に役立つと強調することで,それぞれ立派に精神病理学への架橋を成し遂げたように思う。

「精神医学」への手紙

Letter—再考:我が国における悪性症候群の発生率

著者: 秋元勇治

ページ範囲:P.222 - P.222

 筆者は,1990年の本誌1)に式場病院での10年間(1979〜1988)の悪性症候群の発生率が0.4%であることを報告した。その後,さらに1995年までの17年間に,入院患者10,444例中,43例(再発6例)を経験し,その発生率は同じく0.4%であった。なお,1993年までの症例の詳細は,文献2と3を参照されたい。
 最近,今井ら4)は,筆者と同じ単科の精神病院でのretrospectiveな調査で,入院患者1,889例中,本症は9例(再発1例)で,発生率は0.47%と筆者の報告1)とほぼ同じであることから,「単科精神病院での発生率として妥当なものと考えられる」と述べている。

基本情報

精神医学

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-126X

印刷版ISSN 0488-1281

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