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研究と報告
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【抄録】強度の慢性疲労状態あるいは持続的な精神的重圧状況から発症した内因性うつ病像について,それぞれ生体機能の代償不全および情動因性侵襲による内因性抑うつ症候群の発現として解釈し,内因性うつ病の誘発機序を理解する手掛かりとして考察した。さらに誘発動因について指摘される疑問点,および笠原らの性格(状況)反応性の提唱に関連した知見の検討などから,発病状況に限らず日常的な状況についても,そのかかわり方の問題点に言及した。この観点から内因性うつ病の自生的発症と,病前性格特性との病因的関連について臨床的推論を試みた。
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