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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻2号

1997年02月発行

文献概要

研究と報告

小児の機能性視覚障害—眼科医院における20年間の経験から

著者: 横山尚洋1 高山東洋2 長瀬又男34

所属機関: 1慶応義塾大学医学部精神神経科 2赤塚眼科高山医院 3長瀬クリニック 4総合療育研究所

ページ範囲:P.181 - P.188

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 【抄録】1976〜1995年の20年間に1眼科医院において310例の機能性視覚障害を経験した。年齢は8〜14歳に多く,性別では女児が男児の約3倍であり,従来の報告と同様の傾向を示した。心因の有無および随伴症状による4群への類型分類を試みたが約60%の例で心因を認めず,心理的機制のみでは説明困難であり,年齢特異性からは視機能の発達過程との密接な関係が推測された。精神医学的予後は良好であり,他の精神医学的症状あるいは問題行動はほとんど認められなかった。本症では診療の場により重症度に差がある可能性を指摘し,我々は眼科開業医を受診した症例を対象としたため軽症例が多かったものと考えた。年度別変化では予想と異なり近年むしろ減少している可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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