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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻2号

1997年02月発行

短報

痴呆患者のせん妄や情動障害に対するバルプロ酸の治療効果

著者: 堀口淳1 秋田清実2 塩田一雄2 助川鶴平3 山下英尚1 藤川徳美1 横田則夫1 山脇成人1

所属機関: 1広島大学医学部神経精神医学教室 2秋田病院 3牧病院

ページ範囲:P.189 - P.191

文献概要

 筆者らは以前にせん妄に対してhaloperidolやbromperidolを投与したが奏効せず,phenobarbitalとclonazepamの併用投与が奏効した脳血管性痴呆の1例について報告3)した。この治療経験から筆者らは,抗てんかん薬が痴呆患者のせん妄や,せん妄などの意識障害がないと考えられる時期の感情興奮や不機嫌あるいは暴力行為や拒絶などの問題行動で表現される情動の障害に対して有効である可能性を考え,各種の抗てんかん薬を痴呆患者に投与してきた。今回はその治療成績をretrospectiveに集積したところ,十分に経過観察しえた23例が抽出しえた。今回はこのうちの多剤併用投与例を除く6例のvalproic acid(以下,VA)の単剤投与例6例を検討したところ,良好な治療成績であったため,貴重な臨床知見と考え報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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