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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻3号

1997年03月発行

文献概要

研究と報告

残遺型精神分裂病者の行動待機時間

著者: 森千鶴1 平正文2 熊倉耕次2 佐々木日出男3

所属機関: 1山梨医科大学医学部看護学科 2東京都立松沢病院 3海上寮療養所

ページ範囲:P.245 - P.250

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 【抄録】残遺型精神分裂病者の時間認知の偏奇については様々な研究がなされている。本研究では,時間認知の偏奇が日常の生活行動にどのように影響を及ぼしているかを明らかにし,さらに援助方法について再考することを目的とした。対象は残遺型精神分裂病者20名,陽性症状のある精神分裂病者20名,アルコール依存症者10名,精神分裂病者以外の長期入院患者7名である。全対象者の24時間の行動を連続した2週間観察し,行動時間を1日の中で累計し,それを対象者ごとに平均し,分析した。その結果,残遺型精神分裂病者は1日の行動の中で行動前待機時間が長いことが明らかになった。この行動前待機時間が長いという結果は,時間認知が偏奇していることも影響していると考えられた。今後,精神分裂病者の生活指導を行う際には,患者をせかせるのではなく,ゆとりを持ち,選択の幅を設けるような方法を考案する必要性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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