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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻3号

1997年03月発行

文献概要

研究と報告

ジストニーに伴う一過性の幻覚を頻回に生じた精神分裂病の2例—抗精神病薬の副作用として,幻覚が生じる可能性について

著者: 行正徹1 寺尾岳1 白土俊明1 高橋法人1

所属機関: 1産業医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.251 - P.256

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 【抄録】抗精神病薬投与中にジストニーとそれに付随して一過性の幻覚が頻回に生じた精神分裂病の2症例を報告する。症例1は23歳の男性でbromperidol 9mg投与中に眼球上転発作とそれに引き続いて音楽性幻聴を経験した。症例2は19歳の男性でbromperidol 21mg投与中に頸部から後頭部にかけてのジストニー,頭重感や目のつり上がってくる感じを覚え,次に不安感が生じ,〈そわそわ〉という字が見える幻視が生じるという一連の症状を経験した。音楽性幻聴が生じることもあった。いずれの症例においてもbromperidolを減量ないしは中止することによりすべての症状が消失した。ジストニーに近接して生じる幻覚は,抗精神病薬の副作用である可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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