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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻3号

1997年03月発行

文献概要

研究と報告

多彩な精神症状を呈したBartter症候群の1例

著者: 青木勉1 宮内義浩2 大津正典1

所属機関: 1総合病院国保旭中央病院神経精神科 2総合病院国保旭中央病院内科

ページ範囲:P.265 - P.270

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 【抄録】摂食障害,境界型人格障害様の症状や知能の低下を呈し,テタニーやけいれん,腎に非可逆的な器質性病変が認められたBartter症候群(Bartter症候群の1亜型と考えられるGitelman症候群)の症状精神病と考えられる1例を報告した。Bartter症候群に摂食障害が合併することにより,内分泌・電解質異常・低栄養が増悪し,認知障害や境界型人格障害様の症状を呈した可能性があると考えられた。摂食障害に,電解質異常が合併する頻度は決して少なくないと言われているが,摂食障害を合併した境界型人格障害の診断に当たっては,代謝性因子が精神症状に影響している可能性を考え,身体疾患の検索を含め慎重な対応が必要であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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