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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻3号

1997年03月発行

文献概要

短報

S状結腸癌の転移性肝癌に対する動注化学療法中に生じたリチウム中毒の1例

著者: 竹井裕実子12 勝元栄一1 黒田陽子13 切池信夫1 山上榮1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室 2現,阪本病院 3現,美原病院

ページ範囲:P.307 - P.309

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 血清リチウム濃度を上げる薬剤としては,チアジド系利尿剤(chlorothiazide,bendroflumethiazide),ベンゼンスルホンアミド剤(bumetanide,furosemide,chlortalidone),抗アルドステロン剤(spironolactone,triamterene)などのナトリウムの再吸収を阻害する利尿剤やprostaglandin合成阻害作用の強い抗炎症剤や腎毒性の知られた抗生剤(tetracycline,specinomycin,amphotericin B)などが知られているが9),抗癌剤の併用では,CDDP(シスプラチン)を用いた癌化学療法中にリチウム中毒を生じた症例2)について報告されているのみである。今回,我々はS状結腸癌の転移性肝癌に対する皮下埋め込み式リザーバー使用による5-fluorouracil(5-FU),mitomycin C(MMC)動注化学療法中にリチウム中毒を起こした症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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