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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻3号

1997年03月発行

文献概要

短報

塩酸アマンタジンが著効した抑うつ状態を呈した進行性核上性麻痺の1臨床例

著者: 石川正憲1 佐々木恵美2 白石博康2 内藤徹3

所属機関: 1筑波大学附属病院精神神経科 2筑波大学臨床医学系 3美浦まきば病院

ページ範囲:P.315 - P.318

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 進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy;PSP)は,筋固縮,寡動,眼球運動障害などの神経症状や痴呆を主症状とする変性疾患である9)。また,PSPではしばしば幻覚や妄想,精神運動興奮,抑うつ状態などの精神症状を呈することも報告されている1,2,5)。しかし,本症の精神神経症状には薬物療法が無効なことが多く7),特に精神症状が改善したという報告は極めてまれである。今回,我々は抑うつ状態,精神運動興奮,易刺激性,幻聴などの精神症状を呈し,塩酸アマンタジンがそれらに著効した1例を経験した。興味ある症例と思われるので,若干の考察を加え報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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