文献詳細
資料
大学病院精神科に入院中の身体合併症患者
著者: 古塚大介1 栗岡政典1 小出誠司1 鍵本伸明1 大石聡1 勝元栄一1 尾崎宣洋1 切池信夫1 山上榮1
所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.327 - P.331
文献概要
単科精神病院の病床数が多くを占める我が国の精神科医療においては,大学医学部附属病院の精神科も,地域精神科医療の中で総合病院精神科として,精神科治療中に身体疾患を併発し,専門的な検査や治療が必要となった患者,いわゆる身体合併症例の治療施設として期待される。
我々の大阪市立大学医学部附属病院は1993年5月に総病床1,009の病院として建て替えられ,大阪市南部の医療拠点となっている。この新病院の精神科病棟は,旧病院と同じく40床と隔離のための個室2室という規模であるが,新たに医療用ガスを配管した個室4床を新設し,ハードの面において身体合併症例の治療設備を整え,1993年5月1日にオープンした。
そこで今回我々は1993年5月1日の新病院の開設から1994年4月30日の1年間の精神科病棟の入院状況を調査し,当院での身体合併症例受け入れについての特徴,問題点を検討するとともに,地域精神科医療における身体合併症の診療の問題点を考察した。
掲載誌情報