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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻4号

1997年04月発行

文献概要

研究と報告

幻聴に対する認知療法的接近法(第1報)—患者・家族向けの幻聴の治療のためのパンフレットの作成

著者: 原田誠一1 吉川武彦2 岡崎祐士3 亀山知道1

所属機関: 1東京逓信病院精神科 2国立精神・神経センター武蔵病院 3長崎大学医学部精神神経科学教室

ページ範囲:P.363 - P.370

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 【抄録】筆者らは,幻聴に対する治療をより有効にすることを目的として,患者・家族向けに「幻聴の治療のためのパンフレット」を作成した。現在,日常診療場面でパンフレットを患者や家族に手渡して読んでもらい,治療の1手段として利用している。
 このパンフレットは10項目から成っており,各項目の表題は以下のとおりである。(1)「正体不明の声」が生じるわけ:4つの条件=不安,孤立,過労,不眠。(2)「正体不明の声」の精神科での呼び名(幻聴または幻声)と,そのいろいろな現れ方。(3)幻聴のルーツ=本人の気持や考え。(4)幻聴がもたらす悪影響①:不愉快や誤解。自分の気持が誰かに伝わり,つつぬけになっているという恐怖感。(5)幻聴がもたらす悪影響②:いろいろな偶然の出来事が,皆自分と関係があるかのようにみえてくる。(6)幻聴の治療法の基本。(7)幻聴に対処するための生活上の注意。(8)幻聴への精神安定剤の効果。(9)幻聴の受け止め方=幻聴は実際の他人の声ではない。(10)幻聴への態度=気にかけず,相手にしない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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