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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻4号

1997年04月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病患者の脳波基礎律動—亜型別および治療反応性の観点から

著者: 岡田吉郎1 島崎正次1 四宮雅博12

所属機関: 1順天堂大学越谷病院精神医学教室 2しのみやクリニック

ページ範囲:P.371 - P.380

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 【抄録】未服薬の精神分裂病患者33例の脳波基礎律動を定量分析し亜型別,治療反応別に分類し健常対照群30例と比較するとともに,各群の治療前後の比較を行い検討した。
 緊張型では,未服薬時,徐波および速波帯域のパワー値が左前頭部で高く,服薬後は徐波帯域の減少と右半球優位の速波帯域の増加を認めた。破瓜型は未服薬時は緊張型と類似していたが,服薬後は徐波帯域の増加,α2帯域の減少を認めた。妄想型は他の2型に比べ有意な所見に乏しかった。治療反応群は未服薬時に徐波帯域のパワー値が高く,治療後には徐波,α帯域の減少,β1帯域の右半球中心の増加を認めた。治療抵抗群では治療後,徐波帯域の増加,β2帯域の減少を認めた。
 上記脳波所見は,PET,SPECTなどで報告されている異常所見との関連を示唆するものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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