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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻4号

1997年04月発行

研究と報告

遅発緊張病と考えられた1症例

著者: 渡邊伸弥1 安部川智浩1 本間裕士1 鈴木衣穂子1 岩崎俊司1 松原繁廣1

所属機関: 1国立十勝療養所

ページ範囲:P.389 - P.394

文献概要

 【抄録】70歳で緊張病症状と幻聴をもって発症した1男性例を経験した。意識障害,痴呆はなく,Schneiderの一級症状を伴っていた。脳波,MRI検査,髄液,内分泌学的検査,その他の身体的検査,および心理学的検査において特に重要と思われる所見はなく,精神的・状況論的にも本例の精神症状と了解関連を有するような要因は認められなかった。これらより,本例は老年期に初発した分裂病性内因性精神病,ことにいわゆる遅発緊張病と考えられた。本例がどのような転帰をとるのか,観察期間が短いため不明であるが,抗精神病薬に対する反応は良好で,現在のところ明らかな欠陥症状は認められていない。症例の呈示と若干の文献的考察を行った。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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