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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻5号

1997年05月発行

文献概要

短報

円錐動脈幹異常顔貌症候群(CAFS)に精神分裂病を合併した1症例

著者: 松永裕紀子12 北西憲二1 牛島定信3 高尾篤良45

所属機関: 1成増厚生病院 2現,東京慈恵会医科大学附属柏病院精神科 3東京慈恵会医科大学精神医学講座 4日本心臓血圧研究振興会国際分子細胞免疫研究施設 5東京女子医科大学循環器小児科

ページ範囲:P.539 - P.541

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■はじめに
 近年の分子遺伝学の進歩に伴い,精神疾患の遺伝学的研究も盛んに行われつつある。精神分裂病の病因として家族内集積性から遺伝因子の関与が論じられ,家系研究,双生児研究,養子研究などに加えて,最近では他の疾患と同様に病因遺伝子の同定に関する研究もなされている。その中で注目を浴びているのがCATCH22症候群11,12)である。染色体22q11.2の欠失を認める先天性の心疾患であるが,精神障害,特に精神分裂病の合併が一般成員よりも多いことが指摘されている2,3)。染色体22q11.2と精神分裂病との関連性が示唆されるが,連鎖を否定する報告もあり,今後の研究の進展が期待されている。
 今回,我々はCATCH22症候群の経過中に精神分裂病を合併した症例を経験した。染色体22q11.2と精神分裂病との連鎖を考える上で多くの示唆を与え,また,このような症例の報告は筆者の知るかぎり本邦では少なく,若干の考察を加えてここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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