文献詳細
文献概要
紹介
Life Skills Profile(LSP)日本版の作成とその信頼性・妥当性の検討
著者: 長谷川憲一1 小川一夫1 近藤智恵子2 伊勢田堯3 池淵恵美4 三宅由子5
所属機関: 1群馬大学医学部神経精神医学教室 2利根中央病院精神科 3東京都立中部精神保健福祉センター 4帝京大学医学部精神科学教室 5東京都精神医学総合研究所
ページ範囲:P.547 - P.555
文献購入ページに移動精神科リハビリテーションの領域では,国際障害分類(ICIDH)の整備にも励まされて,慢性精神疾患患者が持つ機能障害,能力障害,社会的不利の各レベルに応じた対策をとる必要性が認識されるようになっている。その際,生活に現れた障害を評価することは不可欠であり,いくつかの評価尺度が考案されてきている2〜4)。しかし,精神科リハビリテーションの現場,特に地域で生活している患者を対象にした実用性のあるものは少なく,評価方法の検討が端緒についたところである5)といえる。
筆者らは,こうした評価尺度として,1989年にオーストラリアのRosen,Parkerら6,7)によって開発されたLife Skills Profile(LSP;生活技能プロフィール)に着目した。LSPは平易,簡潔であり,現場に導入しやすい評価法である。これを日本でも使用可能にすることは,精神科リハビリテーションの実践上,また地域精神医療研究を進めるためにも有用であると考えた。そこで筆者らは,原著者の了解を得てLSP日本版を作成した。本論文では,LSP日本版の作成過程と,その信頼性と妥当性の検討結果について報告する。
掲載誌情報