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巻頭言
文献概要
先般の日本精神神経学会の評議員選挙で,日本精神神経科診療所協会(日精診)の組織票が動員され,同会の多数の精神科医が当選したと話題となった。それは日精診という利益団体の組織防衛のための行為だと批判する向きもあるようだが,私がかつて開業していたから言うのではないが,それは的を射ていないと思う。日本の精神科医の中では,彼らが最も社会の変化と連動して病態も移り変わることを肌で感じ,それに適った治療のあり方を模索していて,そこでの日常の臨床体験から今の学会や精神医学の動向はこれでよいのか,という危機感を抱いたからである,と私は考える。
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