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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻6号

1997年06月発行

研究と報告

緊張病症状を伴う双極性障害(DSM-Ⅳ)について

著者: 加藤忠史1 高橋三郎12

所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座 2現,埼玉江南病院

ページ範囲:P.593 - P.600

文献概要

 【抄録】近年,緊張病状態を呈する患者の多くが気分障害の経過をたどることや,緊張病状態に対するbenzodiazepineやECTの有効性が再認識されるようになり,DSM-Ⅳでも,「緊張病性の特徴を伴うもの」という特定用語が気分障害の診断に盛り込まれた。我々は,緊張病性の特徴を伴う双極性障害と診断される8例につき症例を提示するとともに,これらの症例の臨床的特徴を緊張病性の特徴を伴わない双極性障害の症例51名と比較した。緊張病性の特徴を伴う双極性障害患者では,罹病期間が長く,双極Ⅱ型が多く,うつ病エピソードで入院した者が多かったが,男女比,年齢,遺伝負因,発症年齢,急速交代型の有無には差はみられなかった。こうした患者は,臨床においてしばしば遭遇するものであり,診断学において二大精神病論や非定型精神病の疾病論に問題を提起してきたものであるのみならず,治療学においても,重要なものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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