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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻6号

1997年06月発行

文献概要

研究と報告

MRIを用いたアルコール症者の画像解析的検討—臨床症状との関連をめぐって

著者: 許靱奎1 野口岩秀1 鈴木健夫1 矢崎光保2 大沼徹3 新井平伊3

所属機関: 1久喜すずのき病院 2八幡神経クリニック 3順天堂大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.609 - P.616

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 【抄録】アルコール症者46例と健常対照者21例の頭部MRIを用いて面積測定法により脳の萎縮,拡大を比較検討した。その結果,アルコール症群は健常対照群と比較して皮質系,脳室系とも有意に萎縮または拡大を認めた。各部位別面積と臨床症状との関係を求めたところ,年齢は前頭葉および側頭葉と,飲酒期間は前頭葉および側頭葉と,離脱せん妄は側脳室および第3脳室とそれぞれ有意な相関を示した。アルコール症群の22例にMRI-T2強調画像上多発性に高信号域が認められ,高信号域を有する群は長谷川式簡易知能評価スケールの得点が有意に低かった。これより,知的機能の低下したアルコール症者には高率に脳血管障害合併の可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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